disc review15周年のwafflesが送る、バラエティ・ポップミュージック・ショー

shijun

15ans! chansons!waffles

release:

place:

日本のギターポップバンド、waffles2017年リリースのEP。活動年はすでに15周年に差し掛かっているものの、未だに新しいことに挑戦し続けている彼女たち。デビュー当時はネオアコ/ギターポップと下北系ギターロックのハイブリッドと言った趣だったが、近年はウクレレを主軸とした作品をリリースしたりと、より大人びた自由さをまとい始めている中でのリリースである。今作はどのような新しさを見せてくれるのだろうか。

#1Lhomme de ma vie ~となりあわせのパズル~」はwaffles初となるダンサブルなジャズポップ。スウィングするテンポとスピード感溢れるボーカルが心地よい。特にボーカルラインは言葉選びまでスピード感を意識して配されているのがわかる。ジャズあるあるみたいなパートがめいっぱい詰め込まれてる遊び心も、出自がポップスである彼女たちらしくてグッド。#2「モアザン・ソング」はチャカポコとしたマリンバの音色が楽しいギターポップ。ボサノヴァやブラックミュージックの香りを纏った渋谷系っぽいゴージャスさを放ちつつ、小気味よく歪んだギターで下北系の血を感じさせる。彼女たちらしさが詰め込まれた一曲になっている。#3sweet dance bossa」は曲名通りメロウで甘いボサノヴァ。ちょっとニューミュージックっぽさも感じさせる濡れたメロディーがgood#4Ugly & Beautiful」はガッツリと歪んだリフが聴けるここに来てロック色の強いエモーショナル・バラード。間奏をはじめとしてポストロックっぽいアプローチも聴ける。ここ最近の作品では鳴りを潜めてたギターロックバンドとしての彼女たちの色が、15周年と言う節目の場で再び聞けたことが嬉しい。

新しさも感じさせつつ、これまでの彼女たちの歴史を総括する様な作品に仕上がっている。そしてバラティに富んだこのアルバム全体に筋を通すのは、やはり抜群のポップセンス。15周年のwafflesが送る珠玉のポップ・アルバム。ぜひ手に取ってみてほしい。1125日にワンマンライブ。

WRITER

shijun

ポップな曲と泣ける曲は正義です。female vocalが特に好きです。たまに音楽系のNAVERまとめを作ってます。なんでも食べます。

このライターの記事を読む