disc reviewmail interview Gue meets cllctv.

tomohiro

今回は『Luminous』のリリースを受け、Gt/Vo.谷さんにお話を伺います。これまでのオルタナ志向から少し舳先を変え、よりポップでマスに訴えかけるように鳴る彼らの新作ですが、そこにはどういった意志があったことだったのか。バンドの成り立ちや音楽のルーツを探りながらも、色々と興味深い話を伺うことができました。

Tomohiro こうしてお話をさせていただくのは少し久しぶりですね。早速ですが質問に移らせていただきたいと思います。まずは、結成のきっかけ、現在に至るまでの略歴を教えてください

大学3回生の頃に部活内で結成しました。かなり忙しい部活だったのと、大学卒業後も仕事やメンバーの移住の都合もあって、スローペースで活動していました。2015年に至っては年間3本しかライブをしていなかったです…。メンバーチェンジを経て、2016年から本格的にライブをやるようになりました。

Tomohiro 大学3回生!なかなか忙しい時期ですね。部活っていうのはバンドをやる部活ですか?僕が所属しているサークルもライブの回数は結構多くて、いつも何かしらのバンドのコピーに追われている気がします 笑

周りは就活モードに入っている時でしたね…。 素知らぬ顔してバンド始めてました。笑 所属していたのはフォークソング部という部活でした。やっている内容は軽音楽部と変わりないんですけど。

Tomohiro フォークソング!僕もフォークソング同好会というサークルに所属しています。フォークソング全盛期の名残なんでしょうかね。例に漏れずフォークソングなんてやらないわけなんですが 笑

Tomohiro バンドを組むまでは自分で曲作りをしたりといった活動はされていたんですか?自分が音楽に気持ちを向けるようになるきっかけになったような、音楽の体験が何かあれば教えてください

子供の頃からゆずが大好きでよく歌ってました。高校の時にバンドのボーカルに誘われて、そこから一人でも自由に歌いたいと思うようになって弾き語りを始めたのが大きなきっかけですね。

Tomohiro 弾き語りが始まりだったのですね!それもゆず!僕の相方のshijunがすごくゆずが好きなんですよ。機会があれば話を振ってみてください 笑

Tomohiro Gueの曲にはギターリフありきの曲も多いので少し意外でした。今も弾き語りから曲を作られるのですか?そういえば、仕事で各地に出向く際にはアコギを持っていくことが多いと聞いたような気がしますが。

弾き語りから作ることがほとんどですね。弾き語りの録音データをメンバーに送って、各自考えてきたことをスタジオで合わせていくケースがほとんどです。そうですね、平日出張がかなり多い仕事で、出張先でも作曲するためによくアコギを持っていきます。月曜日の早朝に京都駅で、ギターを背負ったスーツ姿の男がいたら多分僕だと思います…。笑

Tomohiro 涙ぐましい光景ですね…。僕自身、来年からようやく社会に出ていくこともあり、cllctv.の活動や、そもそも音楽をどうやって続けていくのか考えることもあり、不安に思ったりもするんですが、谷さんはその辺りをどう考えてやってこられたのでしょう。

多分思っているよりも、気を抜いた瞬間に音楽をやる環境は離れてしまうんじゃないかなと思います。自分たちも2015年にフェードアウトしていた可能性はかなりあったと思います…。ただその当時、『フィールド』をレコーディングしたいという気持ちがあったのと、今もお世話になっているんですが、面倒を見てくれているレコーディングエンジニアの方が京都を離れるというタイミングが重なって、なんとしてももう一度レコーディングをしようとなりました。そこからこの1年半の繋がりが生まれたように思うんですけど、僕にとっては作品作りが大きなモチベーションになっていると思います。

Tomohiro なるほど…。自分たちのやってきたものを一つの形として世に送り出すのって、すごくしんどいのと同時にとても楽しいことですし、それはいわばバンドとしての生きている証のようなものですよね。そう考えるとそれを楔としてバンド活動をなんとか続けていくというのはすごく納得のできるものがあります。

あと働き始めの頃は、バンドを熱心にやっていることを会社の人達にあまり知られないようにしていましたけど、最近はあまり隠さなくなりました。社会人としての在り方を考えたこともありましたけど、これから得体の知れない時代がやってくるじゃないですか。立ち向かっていく身として、僕らの世代の在り方が蝕まれる必要なんてないなと思うようになりました。

Tomohiro 今ってきっと昔よりずっと自由というか、「社会」というくくりで必要以上に縛られる必要のない世の中になってきているように思えます。言うなれば多様性の時代というか。そういう中で自分のスタンスを示していくのは当然のことになっていくでしょうし、そういったことがより受け入れられるようになっていくと、もっと沢山の人が自分の時間を重要に思えるようになるんじゃないでしょうか。

WRITER

tomohiro

エモを中心に枝葉を伸ばして聴いています。アナログな人間でありたいと思っています。野菜がたくさんのったラーメンが好きです。

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