disc review浮世を皮肉る、がしゃどくろと百鬼夜行

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Blame & AgingWe Were Skeletons

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USはペンシルバニアから、3ピースエモヴァイオレンス、ハードコアパンクWe Were Skeletonsの2ndフルアルバム。今作は2012年リリースで、リリースはTopshelfからだ。活動開始時期が近いのは、Touche AmorePianos Become The TeethFrameworksLa Dispute辺りの、US激情、ポストハードコアとしては比較的若いバンドたち。Topshelfからのリリースも頷ける比較的ポストハードコアしている激情なように思う。この辺りがパワーヴァイオレンス成分の多い、Touche Amoreや、Loma PrietaなんかのDeathwishに組み込まれる流れを汲むバンドと異なるところで、彼ら自体はCastevetCinemechanicaなんかのバンドと一緒に語るのが適切だろう。Pianos Become The Teethも初期は前者の流れに近い位置付けだったように思うし一時期はTopshelfにいたこともあったが、現在はEpitaphに収まり、音楽性もスクリーモにシフトして行ったので、この文脈からは外す。

Pianos become The TeethはTopshelf在籍時が一番好き。

さて、この手の激情バンドに多いのは、ツインギター+ピンボーカル、の5人編成ないしツインギター(ギターボーカル)の4人編成だと僕は思っているが、彼らは3ピースだ。シャウトの担当はベースとギター。シャウトがメインというよりは、変拍子、不協和のハードコアインストを聴かせつつ、時折シャウトを挟むといった形態だ。(実際インスト曲も数曲ある。)スリーピースも納得のテクニックを持つ三人は、マスロック然とした構築系フレーズを得意とする。リフ主体に組み立てられるキメ重視のドラムフレーズや、ギョロギョロと存在感のあるベース、ザクザクと刻み、殺伐さを撒き散らしながらも、キャッチーで親しみやすさの抜けないギターはまさにCinemechanica直系じゃなかろうか。

リリースは2006年。

 

次々飛び出る不協和フレーズは聞いていて気持ち良く、程よいタイミングで挿入されるクリーンギターや、テンポ早めの疾走感重視な楽曲が多いのもノリやすく楽しい。比較的このジャンルの中では楽しみやすいバンドなのではなかろうか。 記憶している中では、The Saddest Landscapeとのスプリートがレイテストのリリースだったように思う。まだ活動してるのだろうか。もっと評価が上がってもいいバンドだと思う。

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